どうも、白夜霧(@KiRi_Byakuya)です。
今回は「あれ?どうやるんだっけ?」と、毎回調べて作成することの多い、Visual Studioで作成したソフトの「インストーラ」を作成する手順の覚書記事です。
この記事の目的
- Visual Studioで作成したアプリのインストーラを作成ための手順
- インストーラ作成時に、設定すべき事のまとめ
目次
- 1 拡張機能「Microsoft Visual Studio Installer Projects」をインストール
- 2 Visual Studioのインストーラ作成方法
- 3 Visual Studioのインストーラ『発行元情報』の入力
- 4 Visual Studioのインストーラでインストールする『アプリ』を設定する
- 5 Visual Studioのインストーラで、インストールするアプリの『デスクトップショートカット』を設定/作成する
- 6 Visual Studioのインストーラで、インストールするアプリの『スタートメニュー』を設定/作成する
- 7 Visual Studioのインストーラをビルドして生成
- 8 おまけ / exeファイルのアイコンを設定する
拡張機能「Microsoft Visual Studio Installer Projects」をインストール
step
1拡張機能の管理を開く。
「拡張機能」→「拡張機能の管理」をクリック。
step
2インストーラをダウンロード
右上の検索ボックスで「installer project」を検索し、表示された「Microsoft Visual Studio Installer Projects」をダウンロードする。
step
3Visual Studioを閉じて、拡張機能をインストールする
拡張機能のダウンロードが完了すると、ウィンドウの下に『変更内容がスケジュールされます。すべての・・・」が表示されるので、Visual Studioを全て閉じる。
Visual Studioを閉じると「VSIX Installer」が自動的に起動するので「Modify」をクリック。
「変更が完了しました」と表示されれば、インスールは完了。
Visual Studioのインストーラ作成方法
step
1プロジェクトを開く。
インストーラを作成したいプロジェクトを開き、ソリューションを右クリック→「追加」→「新しいプロジェクト」をクリック。
step
2セットアッププロジェクトを追加
『新しいプロジェクトを追加』の検索ボックスに「setup」と入力して出てくる「Setup Project」を選択して「次へ」
step
3プロジェクト名と保存場所を選択
『新しいプロジェクトを構成します』で、プロジェクト名とSetup Projectの保存場所を選択して「作成」をクリック。
特別な理由がない限り、保存場所はインストーラを作成したいプロジェクトのフォルダ内を個人的には推奨。
step
3セットアッププロジェクトの追加完了
ソリューションエクスプローラーに「Setup1」が追加されていればOK。
Visual Studioのインストーラ『発行元情報』の入力
配布するためにインストーラを作成するので、発行元情報の入力はお忘れなく。
追加したSetup Projectを選択すると表示される「Deployment Project Properties」の項目の中から、最低限設定すべき項目は下記の通り。
設定項目
- Author : 作成者名
- Manufacturer:製造者名 or 会社名
- ProductName:製品名
- RemovePreviousVersions:インストール時に以前のバージョンを削除するかどうか
- Titile:プロパティ内で確認できるタイトル
- Version:バージョン番号
発行元情報の表示例
(インストール画面)
「アプリと機能」
「プログラムと機能」
インストーラのプロパティ
Visual Studioのインストーラでインストールする『アプリ』を設定する
step
1ファイルシステムを開く
Setup Projectを右クリック→「View」→「ファイルシステム」をクリック。
step
2プロジェクトを選択
File Systemの「Application Folder」を右クリック→「Add」→「プロジェクト出力(P)」をクリック。
step
3プロジェクト出力グループの追加
「プロジェクト出力グループの追加」から「プロジェクト」で追加するプロジェクトを選択し、「プライマリ出力」を選択して「OK」をクリック。
ココに注意
- .NET Coreのフレームワークを使用しているアプリの場合は『項目の公開』を選択して下さい。詳細は「Visual Studio Installer Projects Extension and .NET Core 3.1」を参照。
- 「構成」を(アクティブ)にすると開発環境側で選択している構成に依存するので注意。配布用なので基本は「Release Any CPU」を選択。
「プライマリ出力 from・・・」がFile Systemに表示されれば、追加するアプリ(インストールするアプリ)の選択は完了。
アプリ以外のデータを追加する方法
step
1ファイルを選択する
マニュアル用のPDFや、テキストデータ等のデータを追加する場合は、同じく「Application Folder」を右クリック→「Add」→「ファイル」をクリック。
「Add Files」から追加するファイルを選択する。
step
2ファイルの追加完了
「Application Folder」に追加ファイルがあればOK。
Visual Studioのインストーラで、インストールするアプリの『デスクトップショートカット』を設定/作成する
アイコンデータを追加する
ショートカットアイコンとして使用するアイコンを、リソースデータとして追加します。アイコンデータの変換は、下記のサイトを使用させて貰いました。
step
1プロパティを開く
追加するアプリのプロジェクトを右クリックして「プロパティ」をクリック。
step
2リソースファイルを追加する
「リソース」をクリックし、上の「リソースの追加」→「既存のファイルの追加」をクリック。
step
3アイコンを選択
「既存のファイルをリソースに追加」から、任意のicoデータを追加する。
step
4アイコンの追加完了
リソース画面に指定のアイコンが追加されたらOK。
デスクトップに作成されるショートカットを追加する。
step
1新しいショートカットの作成
「File System」から「User's Desktop」をクリックしてから、ファイルシステムの右側画面で右クリック→「新しいショートカットの作成」をクリック。
step
2アプリを選択
「Select Item Project」の「Lock In:」にて「Application Folder」を選択し、表示された「プライマリ出力 from...」をクリックして右下の「OK」をクリックする。
「プライマリ出力 from ...」が表示されない場合は、追加するアプリのプロジェクト側で、指定の構成でビルドされていない可能性があります。
step
3ショートカットの名前を変更
右側に「Shortcut to プライマリ出力 from...」が追加されれば、ショートカットの追加は完了です。
ただし、このままだとインストール後に、この長い名前のまま、デスクトップにショートカットが作成されます。「Shortcut to プライマリ出力 from...」のプロパティの「Name」をアプリの名前に変更して下さい。
「Name」を変更すると「File System」側も表示が変わります。
ショートカットにアイコンを設定する
step
1プロパティを開く
「User's Desktop」の「Shortcut to プライマリ出力 from ...」を選択し、プロパティウィンドウの 「Icon」から「Browse...」をクリック。
step
2Browseを開く
「File name:」の横の「Browse...」をクリック。
step
3アイコンファイルを追加
「Look in:」を「Application Folder」に選択した「Add File」をクリック。
「Add Files」から、使用するアイコンファイルを選択。
step
4アイコンファイルを選択
選択したアイコンファイルを選択(クリック)して「OK」を押す。
追加されたアイコンファイルを選択(クリック)して、「OK」を押すとアイコンの設定は完了です。
Visual Studioのインストーラで、インストールするアプリの『スタートメニュー』を設定/作成する
スタートメニューにアプリのショートカットだけでいい場合は、フォルダーを作成する必要はありません。
step
1フォルダを追加する
「User's Programs Menu」を右クリック→「Add」→「Folder」をクリック。
step
2フォルダの名前を変更する
追加フォルダの名前を変更して下さい。フォルダ名は発行元情報の「Manufacturer」と同じを推奨。
step
3ショートカットを追加する
追加したフォルダの中にショートカットを作成する。作成方法はデスクトップの時と同じ方法です。
追加したフォルダを選択して、右側の画面で右クリックをして「新しいショートカットの作成」をクリック。
「Lock in:」を「Application Folder」にして、「プライマリ出力 from...」を選択して「OK」をクリック。
step
4ショートカットの名前を変更する
デスクトップの時と同じように、右側にショートカットが追加されていればOK。アイコンの変更とNameの変更もお忘れなく。
操作マニュアルのデータのショートカットも、同じ方法で追加可能です。
Visual Studioのインストーラをビルドして生成
ソリューションエクスプローラーに表示されている、Setup Projectを右クリックして「ビルド」(またはリビルド)を実行。
出力画面に「0 失敗」と表示されれば、インストーラ作成成功です。
成功するとインストーラが生成されます。
おまけ / exeファイルのアイコンを設定する
step
1プロジェクトのプロパティを開く
アイコンを設定するプロジェクトの右クリック→「プロパティ」を開く。
step
2アイコンを選択する
「アプリケーション」の「アイコンとマニフェスト」のラジオボタンを選択し「アイコン」の「参照」ボタンをクリック。
設定する「アイコンファイル(.ico)」を選択して完了。
プロジェクトをビルドすると、作成されたexeファイルのアイコンが、指定のアイコンになる。
参考になったらポッチとお願いしますm(_ _)m